こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
Levi’s Vintage Clothing(LVC)から517の復刻がリリースされました。
70’sのモデルの復刻ということで、1990年代のヴィンテージブームを知っている世代にとっては「ヴィンテージとは呼ぶには新しすぎるモデル」と感じるかもしれませんが、よくよく考えてみると既に50年前のプロダクトなんですよね…。
ちょうど手元に、私物のオリジナルのヴィンテージ、Levi’s 517 ビッグE(73年製)があるので、本日はそのディテールを見ていこうと思います。
目次
Levi’s 517 ビッグE(70’s ヴィンテージ / リーバイス )
概要
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さて、こちらが私物のLevi’s 517 “サドルマン” のビッグEです。
いわゆるブーツカットのシルエットで、オリジナルは1971年からリリース開始されています。
この私物は1973年8月製造の、517の初期型。 およそ50年前に作られた一本になります。
ディテール解説
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ひっさしぶりに引っ張り出してみましたが…
やや。 これはこれで、やっぱりカッコいいですね。
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517は、ブーツカットにありがちな腰回りの「無理な窮屈さ」はなく、比較的ゆったりはけるブーツカットシルエットです。
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縫製は全てオレンジのスパン糸。
今でも糸切れせずにピンピンしとる…
50年前の一着であり、そこそこ穿きこまれた色落ちをしていますが、大したダメージもなく程度良好。
このへんの状態の517なら、今でもヴィンテージショップに行けばそこそこ安く見つかるのではないでしょうか。
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517-0217表記の紙パッチ。
W34…
10年ほど前に購入しましたが、まるで体型が変化する未来を予知していたかのように、今の私のサイズにぴったりです(爆)
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品番上に「CARE INSTRUCTION INSIDE GARMENT」文字が印字されています。
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ブーツカットということで、裾が広がっているシルエットです。
ぱっと見は分かりにくいのですが、裾を膝に重ねる形で折り返してみると分かりやすいのです。
このように、膝付近より裾の方が気持ち、広くなっています。
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赤タブは「V」字左右非対称のビッグE、両面です。
このかすれ方、ヴィテージの66Eで良く見かける。
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リーバイス は1971年から数年かけてビッグEからスモールeに移行していくので、1971年からリリースされたこの517にも、この個体のようにビッグEタブを持っているものが見つかります。
たぶん1974年が517ビッグEのラストイヤーでは??
もし古着屋でヴィンテージの517を今から探そうって方は、タブにも注目してみてください。
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耳生地ではなく、脇割りです。
ブーツカットのシルエットの特性上、直線の耳がサイドには使えません。
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アーキュエイトは窪みが深いデザインで。シャープなイメージ。
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バックポケット裏はシングルステッチで、501の66前期モデルと同じディテール。
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フロントは銅色ボタン。
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銅リベット。
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ジッパー はタロンの42。
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トップボタン裏は2。
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洗濯表示には 「8 73 2」の文字。
2番工場にて、1973年8月に製造。
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517の生地はプリシュリンク(防縮加工)を施した生地が使われていますが、その整理加工以外は基本的には501(66前期)と同等の生地だと思います。
色落ちの傾向に近いものがあります。
細く細かい縦落ちのデニム生地です。
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各所のアタリも綺麗に出ています。
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40~50sのような、目の覚めるような濃淡やハッキリした縦落ちはありませんが、66前期の時代の生地の色落ちは、また別の美しさがあります。
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生地が良いため、脇割り(耳なし)でもこのようにサイドのアタリはしっかり出ています。
ただ、実際のセルビッチ耳のアタリと比較すると、ラインの輪郭がぼやける傾向があります。
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チェーンで仕立てられた裾のパッカリングもしっかり。
そのほかの写真も以下、どうぞ。
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【まとめ】70’sはヴィンテージか?いつからがヴィンテージと呼べるのか?
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以上、1973年のリーバイス 517″Big E” のディテール解説でした。
リーバイスがその品質で絶頂期だったのは50年代まで、と言われますが、この70年代はそれなりの良さがありますし、なにより今でも安価に楽しめるヴィンテージですから、毎日楽しむファッションとしては実用的なヴィンテージと言えるでしょう。
買った当時はこの色落ちもそこまで好きではありませんでしたし、年を重ねるにつれて「ブーツカット」への心のハードルが高くなり…
2度と穿くことは無いかもしれない…そう思っていた一着。
改めて見ると、なんだこれ、やっぱりカッコいいではないか、と。
この気の抜けた色落ち具合も、なんだか今の私の気持ちとリンク。
この春夏、久しぶりにちょっと穿き回してみようと思います。
話は変わりますが…
70’sは「ヴィンテージか、どうか?」
「いや、それはヴィンテージではなく、オールドだ」という議論も一部あるようですが、私は十分ヴィンテージと呼んで良い代物だと思います。
思い返せば1990年代のヴィンテージブームの頃、当時から数えて50年前にあたる1940年代のジーンズをヴィンテージと呼んでいたのに、
今2020年代になって、ここから50年前の1970年代のジーンズをヴィンテージとは呼べない、という方がロジックが通りませんからね。
では、実際のところ、古着はいつからヴィンテージと呼べるのか?
私の感覚的には20年経過すると、十分ヴィンテージだと思います。
ワインの世界では、子供の生まれ年のヴィンテージワインを成人した時のお祝いに開けることもあるくらいですから、キリよく20年ってことで良いのでは?と。
みなさんはどう思いますか?
本日の517と同年代のリーバイスのヴィンテージ解説、こちらもどうぞ。
本日もご一読、ありがとうございました。
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