こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
本日、4/7は滋賀県・八日市にあるCONNERS SEWING FACTORYのリニューアルオープンの日。
私はこの日は仕事があるためお邪魔できないので、先日、一足先に見学させていただきました。
その時に拝見したリニューアルモデル【409xx M-54】の詳細と、その縫製を行うアーティスト「カオル」さんについて、本日はお伝えしたいと思います。
目次
ONE PIECE OF ROCK 【409xx M-54】 詳細
このM-54は、1954年のヴィンテージを表現したモデルになります。1954年は革パッチの最終モデル。これまでもONE PIECE OF ROCKでラインナップされていたモデルでしたが、今回のファクトリーのリニューアルに合わせて、様々な箇所がアップデートされてリリースされたモデルです。
もっとも大きな変更点は股上、および膝下のシルエットの調整。この形、似合わない人はいないでしょう。
またバックポケットも若干小ぶりに調整がなされたことで、スタイリッシュなイメージが強くなりました。
それにしても、この生地のねじれ…すごいです。
使っているのはONE PIECE OF ROCKのオリジナルの16oz デニム。
原反を触らせて頂きましたが、凄まじいザラつきでした。
裏面を見ると分かりやすいですが、ネップ感が非常に強い生地です。これは好きな人、多いのではないでしょうか。
54年モデルということで、ベルトループはオフセットになっています。
今回のリニューアルに合わせて両面タブが用意され、54年モデルの表現としてさらに完成度が増しました。
M-54専用の革パッチ。
今回のリニューアルにあたり、限定数でランドリーバッグが付属します。
販売価格22,000円(税別)、
繰り返します、販売価格…22,000円!!!
ファクトリーのリニューアルと、M-54の位置付け
今回のCONNERS SEWING FACTORYのリニューアルにあたり拡張されたスペースは全て50年代モデル、具体的には上記のM-54を縫製する設備が設置されていました。
このM-54の位置付けとしては「ONE PIECE OF ROCK」のエントリーモデルになっています。
売価の22,000円は小中氏が縫製するSシリーズ(S409XXXなど)のおよそ半額ですし、昨今のアメカジブランドによるジーンズの中でも安い方です。
ただ、内容は価格以上。他のブランドさんから見ると脅威かもしれません。
そもそもこのM-54を縫製する設備は、ONE PIECE OF ROCKの代名詞となっている40年代モデルと同じように、M-54用にチューンナップされた数々のヴィンテージミシンです。
この設備自体を持っている工場がそもそも他に存在しないわけです。
これらを駆使し、ヴィンテージ縫製を使って作られ、生地やシルエットや副資材にも一切の妥協の無い一本を「エントリーモデル」と言うあたり、彼らの意識の高さが見て取れます。
ニードルワークアーティスト『カオルさん』
このM-54の縫製を行うのが、ニードルワークアーティストのカオルさん。
縫製の現場歴は十数年。元々は服飾の専門学校でパターンの勉強も行っていた、いわば縫製のプロです。その方がふとしたきっかけでCONNERS SEWING FACTORYを知ることになり、他の縫製現場と全く違う設備、そしてデニム縫製の奥深さにハマり、県外からはるばる滋賀に身を移し、小中氏の元で修行をされてきました。
普段は弟子を取らない小中さんが認めた、数少ないニードルワークアーティストの一人です。
M-54を縫製できるのは、今はこのカオルさんしか居ません。
作品作りのプロセスは小中さんと変わりません。1本ずつ裁断を行い、1本ごとに縫製。全ての工程をこのカオルさん一人で行っておられます。
エントリーモデルと言ってもカオルさんは小中さんと同じく、縫い上げる1本のジーンズを作品として捉え、最初から最後まで責任を持ち世に送り出すアーティストと言う考え方であるため。
そう考えると、ここは工場と言うよりも、アトリエに近い存在なのでしょう。
小中氏の使うヴィンテージ縫製技術「手曲げ縫製」をこのカオルさんも扱われます。アイロンは一切使わず、アイロンをかけないことで出てくる生地の微妙なウネリや膨らみが、ヴィンテージの色落ちに繋がるという考えです。数多くのヴィンテージを研究した結果、行き着いたCONNERS SEWING FACTORYの強み。
そんなプロセスで作られるM-54は、1本作るのに90分ほどかかるそうです。そうすると1日の限度は5本程度、ということ。
これを22,000円で出されると言う。。。
同価格帯に、ちょっと比較できるものが無いと言うか。
「若い人でも買いやすくして、ウチの目指す世界に触れて欲しいから」ということで、この価格にしたそうです。
【まとめ】一度足を運び、触れて見ること。
新しい価値観を提供し続けるONE PIECE OF ROCKとCONNERS SEWING FACTORYが送る、新しい展開。それを支える、新しいアーティストのカオルさん。
彼女の作るM-54。非常に素晴らしいお仕事を見させていただきました。ここにいると、今までのジーンズに関する常識はことごとく崩れていきます。
糸のラインでアートを表現する、ニードルワークアーティストと言う考え方。他のブランドさんや、縫製業に携わる方にも参考になる展開が滋賀県・八日市でたくさん生まれています。
何度もこの話をして恐縮ですが、デニムファンなら必ず、デニム関係のお仕事をされている方なら尚更、一度は足を伸ばした方が良い聖地です。
M-54はSシリーズとは違い、お店(FORTY NINERS) にストックがされているのも嬉しいところ。
ONE PIECE OF ROCKに触れたことがまだ無い方は、まずはこのエントリーモデルのM-54に挑戦して見るのはいかがでしょうか。
穿いたら最後、頂点のモデル、小中氏縫製の「Sシリーズ」を手に取りたくなることは間違いありませんケド・・・。
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本日もご一読、ありがとうございました。
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