リーバイス【LVC】で生地の切り替え進む? そんな今だから知っておきたい「コーンデニム(CONE DENIM)」のホントの話。

リーバイス501 2018 スモールe made in USA
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こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。

2017年末に閉鎖された、リーバイス501の輝かしい歴史の一旦を担ってきたデニム生地メーカー「コーンミルズ社(CONE MILLS)」の、「ホワイトオーク工場(WHITE OAK)」

1920年代〜1970年代にかけて作られた、色落ちの素晴らしいリーバイス501のデニム生地の多くはこの工場から生まれました。

その「ホワイトオーク工場製」のデニム生地は、言わばヴィンテージの幻想を見させてくれる唯一無二の存在であり、今でもリーバイスが現在展開しているヴィンテージ復刻ラインの【LVC】や、米国生産モデルの【made in the USA】シリーズで使われています。

しかし工場の閉鎖を受けて、近い将来に「ホワイトオーク工場製」生地の在庫が無くなるタイミングがやってくるのは明白。

先日、現行の【made in the USA】シリーズでは既に「ホワイトオーク工場製」のデニムでは無くなったことは既報の通り。

そして最近では【LVC】でも、「ホワイトオーク工場製」以外のデニムの使用例が増えています。

【LVC】の柱である1947などのリジットの復刻に関してはまだ「ホワイトオーク工場製」が使われていますが、加工モデルを中心に「コーンミルズ社製」・「Cone® Mills 社製」とだけ書かれているパターンや、生地に関して製造元の情報が無いケースも。

↑すでに、何言ってるか分からないでしょう…??(笑)

そう、ちょっとややこしい。

そこで本日はこのあたりの話を整理しつつ、増えつつある「コーンミルズ/コーンデニム」と書かれているデニムに関して、お話ししたいと思います。

コーンデニム、本当の話。

コーンミルズ・コーンデニム・ホワイトオークの違い

CONE DENIM

まず、本日の話をする上で整理しておいた方が良いのが、よくリーバイス絡みの話で出てくる『コーンミルズ』『コーンデニム』『ホワイトオーク』の違いです。

勘違いしている人や、良くわからない・・・という人も多いのではないでしょうか。

さて、最も良く耳にしていると思われるのが『コーンミルズ』。正式にはCone Mills Corporationと言う名称で1891年にアメリカで設立された歴史的デニム生地メーカーです。

で、この『コーンミルズ社』は2003年に事実上の破綻、2004年にオーナーチェンジにより『コーンデニム』、正式にはCone Denim LLCと言う名称に変わりました。

・・・はい、コーンデニムって、コーンミルズ社のデニムという意味ではなく、「コーンデニム」という会社名なのです。

ややこしいですよね。

厳密に、正しい使い分け方を言うと…

  • 2004年に名称変更しているので、ヴィンテージ(1920~1970年代)の501で使われているデニム生地に対して古い会社の名称「コーンミルズ社のデニム」と言うのは正解。
  • もし2004年以前のデッドストックのデニム生地を使っていれば、それも「コーンミルズ社のデニム」と言って、正解。
  • 2004年の名称変更以降に作られたデニム生地を称するのであれば「コーンデニム社のデニム」と言うべきで、「コーンミルズ社」は厳密に言えば間違い。

こんな感じです。

そんな理由により、「コーンデニムを使っている」という表現も間違いで、正しくは「コーンデニムのデニムを使っている」というのが正解。

もう色々とややこしいから、とりあえず「コーン製のデニム」と言っておけば全部OKです(爆)。

まぁ同じ会社なので、旧名称を使って悪いという訳でもありませんけど。

分かりやすく例えるなら、パナソニックのことを「松下電器」って呼ぶみたいな。違和感はあるけど意味は通じるし、誰も傷つかない。

CONE MILS WHITE OAK

そしてもう一つ、『ホワイトオーク(WHITE OAK)』。

これは生地メーカーである現在のコーンデニム社(旧コーンミルズ社)が保有するいくつかのデニム生産工場の内の一つ」の名称であり、アメリカ・ノースカロライナ州のグリーズボロにありました。

という訳で、ここまでの話をまとめてみましょう。

まとめ
昔、『コーンミルズ』というデニム生地メーカーがあって、そのメーカーの名前が『コーンデニム』に変わって、彼らが長く操業していたけど閉鎖された工場が『ホワイトオーク』。

コーンデニム社のデニム工場は、今。

で、ここからが本題です。

このコーンデニム社(CONE DENIM)は、旧社名時代から変わらず今でもアメリカ・ノースカロライナ州のグリーンズボロに本社を構えています。先日閉鎖された伝統のホワイトオーク工場があった場所ですね。

しかし、そのホワイトオーク工場は2017年に閉鎖…。

では…ホワイトオーク工場を失ったコーンデニム社は今、どこでデニムを生産しているのでしょうか?

その工場は現在2カ国にあります。

CONE DENIM

出典:CONE DENIM(https://www.conedenim.com/mills/)

1つは、メキシコ

もう一つは、中国

CONE DENIM

出典:CONE DENIM(https://www.conedenim.com/cone-jiaxing/)

そう、この2カ国です。

私が調べた限りですと、中国の工場は最先端技術を使って品質の安定した製品を大量生産できる工場と言う印象。

コーンミルズ・コーンデニムと聞いてイメージする「アメリカ」「歴史」「古き良きデニム工場」ではありません。

現行のコーンデニム製(コーンミルズ製)のデニム生地は、どこで製造?

このことから、「コーンデニム」や「CONE MILLS製」とだけ書かれている現行のデニム生地の場合、在りし日のホワイトオーク工場製のストックを使っている場合も有り得ますが、上記で説明のメキシコ産または中国産のデニムが多くなると思われます。

一つ、ちょっと分からないのが、説明に「コーンミルズ社(ノースカロライナ州)製」って書いてある場合。

ホワイトオーク工場製とも捉えられる一文ですが、「ノースカロライナ州に本社を置くコーンデニム社のデニム生地」と読むことも出来るので、「メキシコ製」と「中国製」である可能性があります。

決して、メキシコ製・中国製の生地の品質が悪い訳ではありませんが。

デニム生地ブランドとしてのブランディング

cone-mills-white-oak-plant

「コーンデニム」「コーンミルズ」があの501XXの歴史を作ってきただけあって、同社が作るデニム生地自体がブランド化しています。

この名称だけ聞くと「あ、あの有名なブランドの良いデニム生地なんだ」って脳内変換されがちです。

もちろん、悪い生地という訳ではありませんが、先に説明の通り、多くの方が「コーン」に対して持つイメージと現在の姿は随分とギャップがあるはず。

しかし、そう感じさせないのが、ブランディングの妙とでも言いますか。

それだけの功績を作ってきたコーンデニム社。果たしてそのブランドイメージを中国とメキシコ生産でこれからも維持できるでしょうか。

【まとめ】コーン製デニムは、アメリカ生産以外のデニムもあるよ。

リーバイス501 2018 スモールe made in USA

今後、ホワイトオーク工場製の生地を使ったモデルは減り、それ以外の生地が増えていくと思われるリーバイス【LVC】のラインナップ。

おそらく「コーンデニム製(コーンミルズ製)」を打ち出してくると予想されますが、「WHITE OAK」のタグが無いモデルは全て、アメリカ以外の生産デニムであると思った方が良さそうですよ。

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本日もご一読、ありがとうございました。

 

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ジャパンデニムの魅力・アメカジの魅力にハマって20年。 ジーンズへの好奇心が日々増大し続ける40代、インディです。 このブログのおかげで、自分の長年の夢であった「最高のジーンズを作る」ことが実現できました。 今は、さらにモノづくりの魅力に変態的にのめりこんでしまい、 メーカーさんも企画しないような、マニアックなディテールのアイテムをマイペースにリリースしています。 このブログを通じて、日本の物づくりの素晴らしさ、そしてプロダクトのディテールの魅力を伝えていくと共に、 自分のオリジナルプロダクトを企画したいという同じような夢を持つ仲間たちに向けて、様々なノウハウをシェアしたいと思います。