オリジナルの鉄ボタン製作は、ロットと初期費用が問題。

ネオバボタン、トップボタン
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こんにちは、インディです。

今日はネオバボタン・トップボタンのお話です。

今、このAiiRO DENIM WORKSでは、

トップボタンを本物の“シルバー”で作れないか、検討を続けていますが、

ジーンズのトップボタン

トップボタンをシルバー925で作れるか?

2016-11-23

このネオバボタン・トップボタンを

通常レプリカブランドが使っている「鉄」でボタンを作る場合、

費用や流れはどうなるか、ということをお話しします。

目次

鉄ボタンをオリジナルで作る場合

工場を探し、データを入稿し、型を作ってもらい、生産という流れです。

鉄ボタン、といえば、この形状のもの。

ネオバボタン、トップボタン

いわゆる、リーバイスタイプです。

今は大手のナショナルブランドではニッケルが主流ですが、ヴィンテージと呼ばれる年代のものは鉄素材。

このボタンの魅力は、表面の凹凸のデザインが、

鉄独特の錆びや摩擦による経年変化により、立体感・重量感のあるヴィンテージの雰囲気が出ること

現在のほとんどの日本のレプリカブランドは、当時のリーバイスのモデルをフォローする流れでこのデザインのスタイル+鉄素材のオリジナルボタンを作っています。

裏はこんな感じ。

ネオバボタン、トップボタン

専用の機械を使い、針が出ているパーツをボタン裏に貫通させて押さえます。

この形状の鉄ボタンですが、各レプリカブランド、よく見るとデザイン以外でも雰囲気がそれぞれ全然違います。

文字の凹凸が薄いボタンもあれば、よく見ると文字の配置バランスが悪いボタンもあり、ここにブランドさんのこだわりやセンス、あとは生産工場の力量なんかもここに出てくるのでしょう。

私物を色々見比べていますが、フラットヘッドの鉄ボタンは良いです。

型代が高く、しかも2種類必要。

この鉄ボタン、いわゆる「工業製品」になり、大量生産が前提の副資材なのです。

こういう凹凸の鉄ボタンを作るために、デザインを作るのは当然ながら、

「ガシャン」とプレスして製造するための「型」が必要になります。

この型の制作費が高い。

1型、35万円ほどと言われています。

尚、ボタンには、17mmと14mmの2種類の大きさがあり、

おへそに近いトップの大きいのは17mm、その下のボタンフライは14mmが通常よくあるサイズです。

つまり、両方のサイズのオリジナルボタンを作る場合、35×2=70万円いる、ということです。

ロット(最小生産数)は5,000個から

工場では、その型を機械にセットするのに手間がかかります。

なので、少量のみの生産を受けてくれず、工場ごとに最小オーダー数を設けています。

これが個人オーダーにはあまりにもハードルが高い。。。

大手のパーツメーカーさん、例えばYKKさんなどは、1万個がミニマムと聞いています。

他に、多くのレプリカブランドが使うような工場さんでも、5千個から、ということです。

個人にとって、ボタンの生産はその初期投資の型代もさることながら、パーツの在庫が重すぎる。

有名なメーカーさんだったら同じボタンを使う様々なアイテム(ジーンズだけでなくジージャンなど)があるし、全国に販路もあるし、雑誌などの広告も行うので

比較的簡単にコストを吸収し、在庫の心配もいらないでしょうが、

こちらは中小企業ですらない「個人」ですから。。。

なかなか、個人レベルでは現実的ではないですね。

パーツメーカーのアリモノを必要分購入し使う

そうすると、すでに市場で販売されているアリものを必要個数購入して使う、っていう選択肢が出てくるわけです。

これならば、初期費用もかからず、在庫の心配は要りません。

調べると結構たくさんの種類があります。

このネオバボタン・トップボタンのパーツメーカーで有名なのは、

・YKK (https://www.ykksnap.co.jp/catalog/tack.html)

・モリト (http://www.morito.co.jp/)

この2社です。

このメーカーさんから直接、または取扱店舗でボタンを購入し、

縫製工場に送ってジーンズに取り付けてもらう、という流れになります。

ここで一つ注意点。

YKKは主に西日本の縫製工場で主流。

一方でモリトは東日本の縫製工場で主流、となっているそうです。

これは意外。。。

この2社の規格が微妙に違うようで、縫製工場によってはボタンを打つ機械(コマ)がどちらかの規格のものしかないそうですから、アリモノを使う際にも、縫製工場側と事前に確認が必要です。

また、ボタンを機械ではなく、手で打つための器具を売っているのを見かけますが、

力はいるし、出来上がりが安定しない、その上、失敗すれば取り外すのが大変なので

縫製工場で機械で打ってもらうようにした方が良いでしょう。

また、上記の2社以外にもネットでノーブランドのパーツも見かけますが、中国生産のものが多く、耐久性が悪い場合が多いという話を聞いていますので注意が必要です。

さて、数あるアリモノの中で、私が気になっているのがこのボタン。

鉄+真鍮のアリモノボタンが素敵

ネオバボタン、トップボタン

鉄ボタン+中心はブラス(真鍮)のコマ。

パーツの構成としては、

ネオバボタン、トップボタン

こんな感じ。

ボタンにはもともと穴が空いていて、ここにコマを上下に挟んで専用の機械で打つ。

写真は、こちらのサイトでサンプルとして購入してみました。

ありものとはいえ、見た目の雰囲気が気に入ってます。

ネオバボタン、トップボタン

このボタンは通常よりも高さが若干低いので、ヘビーオンスのデニムには仕様上おすすめできないです。

アリモノのボタン代表といえば、ドーナツボタン。

ドーナツボタン

オリジナルジーンズを作る方の利用におすすめなのがこのタイプ。

Leeなどに代表されるような「UNION MADE」と書かれたものや、

月桂樹+ワンスター、 ファイブスターなどのドーナツボタンもあります。

変に文字が入ってないので、汎用性があります。

また、有名どころのメーカーさんでもワークっぽいディティールを持つジーンズや大戦モデルと言われるモデルで使用しているので、

オリジナルジーンズを作りたい、という方はこのあたりを使用するのが現実的かな、と思います。

唯一のリーバイススタイルの鉄ボタン“アリモノ”

あと、最初の画像でも使ったこちら、

ネオバボタン、トップボタン

これもアリモノです。

「HIGH QUALITY GUARANTEED」の文字が入っています。

ここは好き嫌いが分かれますけど、知っている限り、このスタイルでは唯一の鉄製ボタン、貴重な「アリモノ」なのです。

以前はショップさんオリジナルのジーンズでこれが使われてたのを見ましたが、最近はあまり見かけなくなりましたね。

悪くはないけど。。。

 

と、なかなか個人には厳しいお話でした。

せっかくだからオリジナルの鉄ボタンを作りたいのはヤマヤマですが。

 

折衷案としては、トップの大きいサイズのボタンだけをオリジナルで作り、

比較的目立たない小さい方のボタンはアリモノの中から選ぶというのもできるでしょう。

けど、なんか中途半端な気がします。

どこまで予算をかけられ、どこまでこだわるか、という判断が必要ですね。

次の機会ではAiiRO DENIM WORKSのシルバーのボタンに関してお話しします。

 

本日もご一読、ありがとうございました。

 

 

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    ジャパンデニムの魅力・アメカジの魅力にハマって20年。 ジーンズへの好奇心が日々増大し続ける40代、インディです。 このブログのおかげで、自分の長年の夢であった「最高のジーンズを作る」ことが実現できました。 今は、さらにモノづくりの魅力に変態的にのめりこんでしまい、 メーカーさんも企画しないような、マニアックなディテールのアイテムをマイペースにリリースしています。 このブログを通じて、日本の物づくりの素晴らしさ、そしてプロダクトのディテールの魅力を伝えていくと共に、 自分のオリジナルプロダクトを企画したいという同じような夢を持つ仲間たちに向けて、様々なノウハウをシェアしたいと思います。