ファクトリーブランドについて、考える。

ジーンズのファクトリーブランド
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こんにちは、インディです。

ジャパンデニムの品質が世界中で評価されるようになり、

大小合わせて、今やたくさんのジャパンデニムブランドがあります。

それらのデニムブランドには主に2種類の形態があります。

一つは、いわゆる通常のアパレル企業の形態で、

企画開発したデザインの商品を工場に発注し、

仕入れ、販売をするパターン。(ショップのオリジナルブランドとかも、これ。)

有名どころで言えば、ドゥニーム、ウエアハウス、フルカウント、EVISUなど。

そしてもう一つは、工場自身が独自のブランドを立ち上げ

自分達で生産し、卸やネット自社通販など様々な形状で販売するパターンです。

 

これは特に岡山のジーンズの縫製工場で盛んかと思います。

昔からブランド展開しているところで有名なのは、

エターナルFOBファクトリー

比較的新しいところで言えば、TCBジーンズBLUE SAKURAも児島の工場。

ジャパンデニムというカテゴリーなら、これ以外にも実にたくさんの「ファクトリーブランド」があり、

特に児島のジーンズストリートに行くと、雑誌などでも見かけないブランドのショップが立ち並んでいますが、それらの多くは「ファクトリーブランド」だったりします。

ファクトリーブランドの中には、本当に良いものを作るところもあれば、

あまりファッションのことを知らずに作ってるなー、っているのもあったりで、ピンキリです。

ものの良し悪しは置いといて、

この「ファクトリーブランド」に関して、

業界では「是」「非」の話を聞きます。(というか、どの業界でもある話になります。)

 

先日、打ち合わせ先にて、こんなお話を聞きました。

技術を持っている、とある関東の縫製工場がオリジナルのブランド展開を行おうとしていることに対して、

「それをやれば、取引を辞める」取引先のアパレルメーカーから圧力を与えられた、と。

結果として、その工場は取引先の意向を組み、オリジナルをやらない形で落ち着いたようです。

この話。

その工場にたくさん発注をしているメーカーさんにとって、

取引工場が自社ブランドを展開することは、面白くないでしょう。

メーカーさんの競合になり得るという懸念があります。

いろんなメーカーさんの発注数から、売れ筋が工場はわかりますし。

またアパレルのデザインというのは、見方によっては曖昧な知的財産ですし、

特にジーンズの「パターン」は、ある程度共通のフォーマットになってしまっているので、受注元のメーカーさんのものに限りなく近いものをそのまま使われる可能性もあります。

アメカジ系の縫製のノウハウなんかも、

ヴィンテージに詳しいメーカーさんが膨大な時間とお金を使って研究をして、工場に発注指示をしてきたノウハウを、

ファクトリーブランドですぐに採用しようと思えばできます。

 

一方で、ファクトリーブランドを工場が展開するきっかけの多くは、

工場の稼働率と売り上げ。

メーカーの発注にはシーズンごとに波がありますが、

工場はそんなメーカーから発注がない時期でも、繁忙期に対応ができるだけの従業員を確保し維持しなければなりません。

そのメーカーから発注が無いおヒマな時に、

生産数・納期がコントロールできる自社ブランド製品を作るラインを動かす

というのは工場側にとって有益な訳です。

 

工場が取引しているメーカーが今後何十年も、同じ規模の生産の発注をできる保証は何もありません。

何より、今はアパレル不況な時代ですから、メーカーの発注だけに依存する方がよっぽどリスクが高いのは事実でしょう。

 

両者の言い分、分かるだけに、難しいお話ですよね。

 

ここで、消費者の立場でものを言わせてもらえれば、

メーカーさんが潰れても、また別のメーカーさんが、きっとある。

しかし、

素晴らし技術を持つジャパンデニムを作る工場の現場は、今も高齢化が進み、

そんな工場が無くなったら、素晴らしい技術取り入れたジーンズを手にすることが出来なくなる可能性がある。

なので、

細かいことは言わず、

工場が生き残りをかけて”やりたい”のであれば「ファクトリーブランド」やれば良いと思うのです。

それに、その時に工場も気づくこともあると思います。

メーカーさんのように素晴らしいモノを企画することの難しさ。

それを毎シーズン継続する企画力。

メーカーさんの販売のための営業努力、広告の難しさ、

簡単に真似出来るものではありませんってことを。

そして、お互いリスペクトしながら業界を盛り上げていただければ、と。

 

ま、工場と取引をするどんな業界でも、この手の話は必ずあります。

しかし、そもそもアメカジは数十年前のアメリカの“レプリカ”ですから、

それが「真似される」を恐れて、どうするんだ、と。

 

先日記事にした、旧ドゥニーム、H氏の言葉が、響く・・・。

世界一のビンテージな“綿糸”を作る「烏城(うじょう)物産」とは? その②

ドゥニームが開発した烏城物産の糸を今や多くのブランドが使い、

ジャパンデニムのクオリティが底上げされたのですから。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ジャパンデニムの魅力・アメカジの魅力にハマって20年。 ジーンズへの好奇心が日々増大し続ける40代、インディです。 このブログのおかげで、自分の長年の夢であった「最高のジーンズを作る」ことが実現できました。 今は、さらにモノづくりの魅力に変態的にのめりこんでしまい、 メーカーさんも企画しないような、マニアックなディテールのアイテムをマイペースにリリースしています。 このブログを通じて、日本の物づくりの素晴らしさ、そしてプロダクトのディテールの魅力を伝えていくと共に、 自分のオリジナルプロダクトを企画したいという同じような夢を持つ仲間たちに向けて、様々なノウハウをシェアしたいと思います。