こんにちは、インディ(@aiirodenim)です。
狭い我が家には不似合いの、贅沢品が一つあります。
「MARSH社(マーシュ)のステンシル・カッティングマシン」。
本日は、なかなか身近に見る機会のないこの特異な機械について、お話したいと思います。
目次
MARSH(マーシュ) ステンシル・カッティングマシン
経緯
一時期、ステンシルにハマりまして。
なんでも自分でカスタムしたい病 →ステンシルで遊んでいたのですが、これはめっちゃオモロイぞ、となり。
その結果、どうしても実践してみたかった、「本物のステンシル」。
ここでいう「本物」とは、売っている出来合いのステンシルシートとか、型紙をカットした自作のステンシルシートを使うのではなく、我々が憧れるステンシル=ヴィンテージの軍モノ(米軍)に採用されてきたステンシルのこと。
このMARSHは、そんな米軍が長く正式採用している、ステンシルの文字(フォント)を切り抜く機械です。
「ステンシルで遊びたいなら、データを印刷して、自分でカットして作ればいいじゃない?」というご指摘は、まぁYESなのですが。
今時、100均で手軽にステンシルに必要な道具は揃う時代ですから、余計にその「かっこいい」のルーツを辿って見たくなり、行き着いたのが、本物の米軍に採用されているステンシルマシンを手に入れ、自分で実践することでした。
そんな本物を使って、自分のお気に入りをカスタムをしたくなったのです。
…自己満足です。
そうして…ebay経由で、遥々アメリカから我が家にやってきた、このMARSHのステンシルカッティングマシーン。
私が手に入れたMARSHは廃盤のモデルですが、現行では今時な黒塗装になり今も米軍に採用されています。
MARSHのステンシルカッティングマシーン(現行)には全部で4種類。
何が違うかって、フォントのサイズだけ。
1/4インチ、1/2インチ、3/4インチ、1インチがあるのですが、その中でも、私自身、最もフォントサイズがカッコいいと思っている1/2 インチのもの。
これは、よくヴィンテージアパレル(軍もののジャケットやバッグなど)で見かけるステンシルのフォントサイズになります。
とにかく重い、そして頑丈。
で、この機械のディテールをお話ししたいのですが、その前に。
こいつが家に届いた時はまぁびっくりしましたよ。
事前に調べてはいましたが、まさか実物が・・・
こんなに重いとは!!
50kgくらいあります。マジで…
もうね、めちゃめちゃ重い。
見た目のサイズと質量がマッチしてないwww。
憧れの本物のステンシルを手に入れた時の私の印象は、「かっこいい!」ではなく、いまだに「意味不明に超重たい、アレ」。
運送屋さんも、箱のサイズとその重さが不似合いで、ビビったに違いない。
実際に軍で使われていることから、非常に頑丈な作りになっています。
全体が鉄の塊。
表面を覆う塗装はゴッツゴツ。なんというか、ちょっと「字を切り抜く道具」に使う塗装ではないと思う…。いかにミルスペックが要求される環境にあったとしても、だ。
この絵面なんて「戦車の一部の写真」と言っても信じる人、いるでしょうね。
実際に、戦車と同じぐらい頑丈ではないかと思うほどの、鉄ケースの分厚さ。
車がこれに突っ込んだも、車の方がただじゃ済まない…
何度も言いますが、コレ「字を切り抜く“だけ”の道具」。
ディテール
前面には、MARSH STENCIL MACHINE CO.の刻印の入ったスチールラベル。
天井部に付けられたはハンドル。
これをカラカラと回して、カットしたい文字を選ぶのです。
このレバーをガチャんと下ろすことで、先ほどのハンドルで選んだフォントの型が中で降りてきて、型抜きできるという訳です。
この内部には、円形にフォントの型がずらりと並んでいます。
レバーを下ろした時に送り歯車が回り、1文字分のスペースの紙を移動させる仕掛け。
なので、ハンドルで文字を選んでレバーを下ろすを繰り返し、次々と文字を型抜きをすることができます。
マシンと言っても電気を使わない、アナログなマシンなのです。
MARSHを使ってステンシルシートを作ってみよう。
ということで、ここではこの超重量マシンを使って、実際にどのように本物のステンシルシートを作るのか、ご覧に入れましょう。
用意するのはオイルボード。
オイルボードとは、硬めの厚紙に少量のオイルを染み込ませたもので、これはMARSH用の純正のもの。
オイルボードでなくても、厚紙でもカットは可能ですが、オイルボードが推奨される理由は、オイルボードをカットすることで自然とステンシルマシンの刃にオイルが付着し、切れ味を継続させるという、こういうところは効率的な発想によるもの。
また、このオイルボードは表面が硬く艶があるので、ステンシルでスプレーしても、使い捨てではなく、何度か使える丈夫さがあります。
問題点は、日本で作られてないこと…。
まぁ、需要がないからでしょう。
アメリカから輸入する必要があり、高くつきます。
そのオイルボードを、まずは送り歯車の下にセット。
この段階で、どの位置を1文字目のスタートにするか決めます。
打ちたい文字をハンドルで選びます。
そして・・・レバーをガチャん!
って繰り返すと、こんな感じで打てる訳です。
一度オイルボードをセットすれば、あっという間にこういうステンシルシートが完成です!
まぁ、この機械はこれ(型抜き)だけしかできません。
こういうことをするためだけに作られた、超重量級ミルスペックアイテムな訳です。
やっぱりアメリカ!
って思わされるものなんですよね。
MARSHのステンシル・カッティングマシーンの魅力
では、こんな重たくて、またお値段も安くないこの機械の何が魅力か?
なぜこれが必要だと思ったか?
それは…これにつきます。
フォント=文字です。
こればかりは説明不要・・・なぜなら、本物ですからね。
そして、やっぱり“アメリカ”というか、このMARSHを使ってステンシルを作ると、文字が若干傾いたり、文字間隔が一部バランス悪かったりするのですが、、、それもまたリアルな表情だったりします。
そして、これを型抜きするオイルボードの厚み自体も、ステンシルされたフォントの輪郭の表現に影響するので、これを使うと、ヴィンテージ衣料で見かけるあのステンシルペイントに近づきます。
お勧めできない点
そんな“本物”のステンシルマシンですが、カッティングされたステンシルシートは最高なのですが、この機械自体は皆さんにお勧め!…できない点もあります。
それは…
重い、デカイ、そのくせフォントおよびサイズが1種類しか出来ない!
もう、これにつきます。
とにかく色々と「非効率」なのです。
なので、万人にお勧めできるようなものではないですね。あくまでも軍用であり、業務用です。
【まとめ】ステンシルの楽しみ方を広げてみたい。
というわけで、MARSH社(マーシュ)のステンシル・カッティングマシンのお話でした。
これが実際に家に来てから、アレコレと、ステンシルカスタムのアイデアが湧いてきます。
これ、私にとって、最高の遊び道具かもしれません(^^)
普段、間近で見る機会がない特殊なアイテムでしょうが、これで作られるステンシルの本物感と、何より1文字ずつ「ガチャン、ガチャン」と切り抜いていくプロセスもまた、エンターテインメント。
今後、これを使ってカスタムした様子など、またお見せできればと思います。
本日もご一読、ありがとうございました。
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